ギリシャの憂鬱
先週、G8が開催された。
各国、首脳選挙が続く今年、その会議結果の指導力には疑問が有るが、経済成長と財政再建を重要視する声明が発表された。
注目したのはギリシャの扱いだ。
ギリシャは1度行って見たい国だが、ギリシャの輸出製品はとんと見たことがない。
多分観光立国なのだろう。
指摘されている公務員の高比率は、34%(2011年総務省統計局資料)。
この比率は、欧州では押しなべて高い(28-40%くらいが多い)比率で、仏(40%)や独(34%)や英(34%)と比較しても決して異常に高いわけでは無い。
問題は年金だ。
特にここ数年インフレ率も酷いが、それ以上で増額しており、賃金水準の73%になっている。
この年金水準を批判するのは簡単だが、既に受給始めている人たちは、この水準で生活設計や貯蓄をしてきてしまったから、今更減額されても穴埋めする方法はない。
高齢化した産業の無い小国の不公平な年金制度がこの国には凝縮しているのだ。
ユーロ自体が弱体化したのに加えて、ギリシャ国債の暴落で周辺欧州各国の金融システムに悪影響をもたらしている。
このギリシャ国債、3月には21兆円。暴落を表す利回りは昨年11月になんと100%、この3月には250%に迫った。売れないのだ。
更にユーロ諸国は、ギリシャ再建策遵守を前提に、
21兆円のギリシャ国債を10兆円へ棒引きし、
さらに期間を30年に延ばし利回りを2-3%に下げた新国債に交換することを了承した。
借金は▲74%にされたのだ。
しかし、ギリシャ市民はこの再建策に反対した。
今月の総選挙で、再建策反対派が第1党に躍進したのだ。
ただ絶対的な数字では無い為に連立内閣が決められづ、再選挙になる見込みで、現在の流れでは勝ち馬に乗る再建反対派が票を更に集めそうだ。
ギリシャ市民は、ユーロ離脱を望んでいるような選挙結果だが、ユーロからドラクマになった途端にハイパーインフレで自らの首を絞めるに決まっている未来を見ない振りせざるを得ないほど、厳しい再建策なのだろう。
今の金融市場は、高騰していた金からも資金が流出し始め、新興国からも大量の資金が撤退し始め、比較して安定している円に流れ、今年異様に上がり続けた米国株式市場も暴落している。
上げといて下げる、いつもの金融主義の常套手段ともいえる。
だが、ギリシャの破綻から始まるスペインやイタリアやフランスへの飛び火は今は望んでいないのかもしれない。弾は小出しにする方が長続きするからだ。
こんな時でも、ギリシャ国債を安く買い集め、償還で大儲けした企業が報道されたが、裏筋とタイミングを合わせなければ絶対儲けられない手法だし、やりすぎは反発係数が高い。
ハンガリーの格下げでは儲けられず、手頃な弱小ギリシャがとんだ当て馬にされたわけだが、誰かが損をすれば必ずどこかで誰かが儲けるゼロサム金融至上主義は既に次を狙っているのだろう。
弱小な獲物に狙いを付けて、波を作り出す発振器にして、格付けで増幅する、自分達だけ儲ければ良い、世界的なネット集団。
先週、F社は日本の国債の格下げ(AA-からA+に)を発表し、それによる金利上昇を意識したのかしないのか不明だが日銀は追加緩和策を延期した。
ギリシャの憂鬱はどこまで、そして次はどこに続くのだろうか。
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